私は2頭目の犬を迎えてから完全手作りごはんにしました。
完全というのは、ドッグフードへのトッピングなどではなく、
毎食のごはんをすべて手作りご飯にしているという意味です。
これを言うと周りの反応はこんな感じです。
- 毎食手作りご飯つくっているの?大変でしょう?
- 栄養が偏らない?
- 犬のカロリー計算って難しんじゃない?
- ドッグフード以外を犬に与えてもいいの?
愛犬への手作りごはんやってあげたいけど知識が…という方は多いと思います。
ここでは、愛犬への手作りの基本的な知識とカロリー計算の方法をご紹介します。
継続への不安を抱いている方はこちらの記事をご参考ください。
犬ごはんとは?
愛犬に与えてる食事といえば、【ドライフード】と答える方が大半かと思います。
犬のごはんはドライフードと決まってはいないのです。
世の中にはドライフード以外のごはんの与え方があります。
- ドッグフードに野菜や茹でたお肉を加えて与える【トッピング派】
- 生の食材を重視した【生食派】
- 加熱調理した【手作りごはん派】
など様々です。どれが良い悪いという話ではありませんが、犬のごはんはドライフードだけではないということを知ってほしいと思います。
ここでは、加熱調理した手作りごはんについて記載していきます。
犬の手作りごはんのメリットデメリット
- 添加物の無いごはんを与えられる
- ごはんへの食いつきが良い
- 旬の食材から栄養をとれる
- 生の食材を与えることによって酵素が摂れる
- 必要な水分量が毎食自然と摂れる
- 解毒力を高めることができる
- ライフステージに合わせた食事がつくれる
- アレルギーなどの対応ができる
- 食材から水分を得ることができる
- 免疫力の向上につながる
- 食事を作る時間が必要
- 長期保存、常温保存ができない
- 旅行先などでの食事の準備、持ち運びが不便
- 正しい知識が必要
手作りごはんの元気の三原則
ドッグフードは加工食品としても性質上、ドライフードが一般的です。
ドライフードを常食していると足りなくなるのが
【水分不足】【解毒力の低下】【酵素不足】です。
食材から水分や酵素を摂ることによって解毒力を高めてくれます。
元気の素①水分
犬も人間もおよそ体重の約60%~70%は水分でできています。
水は体温や塩分調整、食物の消化、不要な物質の排出など、様々な生命活動に関与しています。
犬に必要な1日当たりの水分量
30ml×体重+70ml
例:体重5kgの犬の場合 30ml×5kg+70ml=220ml
保存食であるドッグフードは水分5~10%ほどしかありません。
お手元のフードのパッケージ裏をみると【新鮮なお水をたっぷり与えてください】と書かれているはずです。
手作り食では約80%は食材から水分を得ることができます。
元気の素②解毒力
有害なミネラルや化学物質を体外に排出することを解毒=デドックスといいます。
有害と言われるものの中には農薬や食品添加物、身近なところではお散歩中に吸ってしまう排気ガスなどがあります。
これらは人間より小さい肝臓や腎臓をもつ犬にとって毒素がたまりやすくなっています。毒素はおしっこやウンチなどから水分と一緒に排出されます。
ドライフードを常食している子は慢性的な水分不足となり同時に慢性的な解毒力低下につながってい可能性があります。
我が家のクリームチワワは手作りご飯で涙やけを克服しました♪
元気の素③酵素
酵素とは
公益財団法人長寿科学振興財団
体の中では、さまざまな化学反応が起こっています。それぞれの反応を引き起こすために触媒として必須のたんぱく質が酵素です。ヒトを含む生物が、摂取した食べ物を消化・吸収・代謝したり、体の中で起こるほとんどの化学反応には、酵素がなくてはなりません。
人間は雑食性で様々な食材を食べることによって自然と酵素を取ることができています。
ドライフードや加工食品にはほとんどの酵素は含まれていません。
ドライフードだけを常食している子の体内酵素は減少していき、年齢を重ねると酵素を作り出す力も衰えていきます。
手作りごはんにする際に、生の食材を意識するだけで酵素を与えることができます。
食べ物が健康や寿命に左右する
犬のごはんは【ドッグフードだけ】と盲目的に思っている方は、
思いだしてほしいと思います。
体を作るのは食べた物だということを。
新鮮で旬の食材を幅広く取ることによって、必要な栄養素や酵素を摂ることができ、犬自体の生命力や免疫力を高め、よりよい健康を手に入れることができます。
犬にとっても医食同源は当てはまります。
医食同源とは、日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方。
Wikipedia
手作りご飯はプレミアムフードより安い!?
ドッグフードはホームセンターなどで買える安いものもあれば、プレミアムフードと言われる高級なフードまで様々です。
1キロ600円で購入できるフードもありますので、そういったフードを使っている方には手作りごはんは高く感じるかもしれません。
しかし、プレミアムフードを使っている方は、反対に安くなる可能性があります。
下記図は、私が手作りで作っている1ヶ月のごはん代と安いフード、プレミアムフードで比較した金額です。
Aフード | 手作りごはん | Bプレミアムフード | |
1か月 消費量 | 約3.4キロ消費 (1日110g) | 1か月約4キロ消費 (1日120g~130g) | 1ヶ月約3.1キロ消費 (1日100g) |
1ヶ月 料金 | 約2,400円 (1食約77円) | 約4,680円 (1食約156円) | 約7500円 (1食約240円) |
手作りごはんは大型犬になるとそれなりに金額が増えていきます。
しかし、大型犬はそもそもお金がかかります。
手作りごはんを与えることによって病気のリスクを減らせれば、
病院代を安くできるかもしれません。
愛犬のカロリー計算と基本レシピの作り方
愛犬の1日のエネルギー要求量を計算し、お家でもできるバランスの良いレシピの作り方の手順をご紹介いたします。
このレシピの作り方はマーク・モリス研究所の発行している『小動物の臨床栄養学』に記載されている手作りレシピ六段階法を参考にしています。
STEP①:愛犬の1日のエネルギー要求量を計算
1日に必要とするカロリーは犬種、年齢、運動量などによって大きく異なります。
愛犬のライフステージに合った数値をあてはめて計算してみましょう。
基本式:体重×体重×体重√√×126×ライフステージ数値
離乳食期 (生後6~8週目) | 2 |
成長期 (生後3~6ヶ月) | 1.5 |
成犬期 未去勢 (1~7歳) | 1 |
成犬期 去勢済み (1~7歳) | 0.9 |
高齢期 (7歳以降) | 0.8 |
STEP②:食材選びと食材のカロリー計算方法
文部科学省の食品成分データベースは細かい栄養素が数値化されているので、オリジナルレシピを作るときにはとても役に立ちます。
STEP③:タンパク質の必要量
成犬の必要タンパク質量は愛犬の体重1kgあたり2.1~2.5gとされています。
例:5kgの犬の必要タンパク質量は5×2.1~2.5g=10.5g~12.5gとなります。
STEP④:炭水化物とタンパク質の割合
炭水化物に対するタンパク質の割合は2:1~3:1とされています。
STEP⑤:油脂を加える
成犬では総エネルギー必要量の5~15%、少なくとも7%は脂肪から摂取することが望ましいとされいます。
STEP⑥:ミネラルを加える
タンパク質が炭水化物より多い場合には炭酸カルシウムを食事に加えましょう。
炭水化物がタンパク質より多い場合にはカルシウムとリンの補給が必要です。
ここでは、STEP④にて炭水化物の割合をタンパク質の2:1~3:1としている為、炭酸カルシウムをサプリなどで補給しましょう。
以上のSTEPをもとに5キロ犬の具体的なレシピを作ります。
※うちのチワワはおやつのカロリーなどを考慮し、ダイエット版に改良しているので、基本レシピから改良しております。
実際に手作りごはんレシピを作ってみよう♪
~レシピを作る犬の情報~
【犬種】柴犬(豆しば)
【体重】6.5kg
【年齢】3歳
【性別】女の子
【去勢の有無】 避妊済み
【その他】アレルギーなし
レシピ作成①愛犬の1日のエネルギー要求量を計算
6.5×6.5×6.5√√×126×0.9=462kcal
レシピ作成②タンパク質の必要量
6.5kg×2.3g=約15g
レシピ作成③具体的に与えたい食材を考える
食材はこれに選択しました!
鶏むね肉/ピーマン/キャベツ/にんじん/米
食材の分量の割合
肉1:野菜1~2:炭水化物2を目安にして考えよう
鶏むね肉のタンパク質量15gが何グラムか食品成分データベースで調べてみましょう。
油脂の摂取量を満たしているか確認しましょう。
総エネルギー必要量の7%は脂肪から摂取することが望ましいです。
462kcal×7%÷100=32.34 32.34÷8.5(油が1gあたりに生み出すエネルギー)=3.8g
鶏むね肉の脂質を確認すると13.8gの為、油脂の必要エネルギーを満たしています。
レシピ作成④食材のカロリーを調べよう
野菜は80g~160gほど選択し、それぞれのカロリーを出しましょう。
残りのカロリーは米(炭水化物)になります。
≪ここでは野菜各50gにしました≫
野菜のカロリーがでたら、お肉のカロリーとたして、エネルギー量から引きます。残りをお米にします。
例:(肉195kcal+野菜52kcal)-462kcal=215kcal
総合カロリー449kcal
※計算上の必要カロリー462kcalと比べ13kcal足りていませんが、気になるようでしたら調整してください。
これは1日分となりますので、作り置きしておきたい日数分をかけましょう。
※多くしすぎると鍋に入らないこともあります
ここでは4日8食分で計算をします。
1日分食材(2食分) | 4日分の食材(8食分) | |
肉 | 80g 195kcal | 320g 780kcal |
野菜 | ピーマン 50g 11kcal にんじん 50g 18kcal キャベツ 50g 23kcal | ピーマン 200g 44kcal にんじん 200g 72kcal キャベツ 200g 92kcal |
米 | 120g 202kcal | 480g 808kcal |
これで基本レシピは完成です♪
レシピづくりで意識するPOINT
POINT①:食材はローテーション
特にメインとなるお肉は2週間から3週間でローテーションしましょう。
同じものを食べ続けるとアレルギー源になる可能性があります。
POINT②:旬の食材を積極的に取り入れる
野菜などの食材は、旬のものを選びましょう。
旬の食材は栄養分も豊富で夏の食材は体を冷ます効果があり、冬の食材は体を温める効果があります。
POINT③:排せつ物をよく観察しよう
排せつ物は食べた物の評価になります。
しっかり消化できているか、見た目、匂いなど…
手作り食へ切り替えた初期は特に観察が必要です。
最初の計算などは難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえて慣れれば楽になれます。
ここまで長文を読んでいただき、ありがとうございます。
上記で記載したようにメリットはたくさんありますので、
是非、手作りごはんチャレンジしてみてください。
普段私が作っているチワワの手作りごはんはこちらからご覧いただけます♪
レシピの参考にしてください。