テオちゃん

【心タンポナーデ】ゴールデンレトリバー12歳の場合

今回は、私の愛犬が心タンポナーデで亡くなった治療及び経緯などの体験談となります。
生前から周りの方に亡くなった時のことやペットロスの体験談を聴く機会が多くありました。
辛い事ですがとても参考になりました。
この記事もいつか誰かの参考になればと詳細を書かせて頂こうと思いました。

※直接的な写真も掲載していますので苦手な方は、閲覧をご遠慮ください。

心タンポナーデとは

心臓は心膜(しんまく)という2枚の薄い膜に包まれています。
この薄い膜になんらかの原因で出血があり、液体が心臓が動くスペースを埋めてしまいます。
よって心臓はポンプとして機能できなくなり、緊急を要する疾患です。

画像:心タンポナーデ|KOMPAS (keio.ac.jp)
※引用先画像は人間の事例です

詳しくは動物病院などのサイトをご参照ください。
あくまで、ここでは私の愛犬の体験談で獣医の先生から説明されたことを主として記載いたします。

愛犬情報

《当時の情報》

享年12歳9ヶ月 
当時はあと3ヶ月で13歳という頃でした。
基本的にとても元気で、食欲もありました。

脚の靭帯を切って手術した為、定期的に通院していました。
亡くなる3か月前に脚の経過観察の為、血液検査をして問題がなく安心していました。
先生からも「この歳(12歳)で、数値に異常はなく健康ですね!」とお墨付きをもらっていました。

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余命宣告された日

2020年2月6日

11時頃に突然、寝ていたベッドでお漏らしをしました。
最初はボケたのか?介護か??と焦りました。
そして1度、起き上がったかと思ったら伏せして立てなくなりました。
食欲の鬼のゴールデンにおやつをあげても見向きもしません。

これはやばいと思い、慌てて病院に行きました。
脚の手術でもお世話になっている病院で、午前の診察に間に合いました。
ここの病院はその日が午後からは休診の為、午前中に間に合って安堵していました。

信頼できる病院に愛犬を預けられたということに安心して、
原因は何だろう心配しつつも呑気に「誤飲かな?」「昨日何食べたっけ?」など考えていました。

この時は【治療して治る】ということしか考えていませんでした。

先生が処置室から出てきた時もせっかく病院に来たので、≪白内障の目薬を追加でもらって帰ろう≫と呑気に先生に目薬が欲しい旨を伝えると「そんな場合ではない」といったことを言われました。
※正確にはすっごく遠回しに優しい言い方でした。

心臓を覆っている心膜の間に血がたまり心臓が動きにくくなっているとのことで、
急遽針で血を抜いてもらいました。(心タンポナーデという状況です。)

血を抜いた直後には立てるようになりました。
本人は私達の心配をよそに「あ~苦しかった!」みたいな感じで歩いて私にすりよってきました。

その姿に私は治るものだと思っておりましたが、簡単なことではありませんでした。

先生から検査結果や 心タンポナーデ という疾患について説明がありました。

倒れた原因は肝臓と心臓から、腫瘍による出血と言われました。
肝臓は、肝臓自体がボコボコと腫瘍によって変形していました。
そして、おそらく肝臓の腫瘍が転移して心臓の方へいって破裂したとのことでした。

特に悪い状態なのが心臓でした。

そこで余命一週間の宣告を受けました。

※ここからはあまりにも取り乱して、一緒に病院についてきてくれた友人に支えられて話を聞きました。
覚えている範囲での記載となります。

先生はパニックを起こす私に対して、丁寧に可能性と選択肢を教えてくれました。

肝臓は腫瘍を切ればよいというものではないということ、
心臓の穴は開胸手術しても穴が見つからない場合がある事、
高齢犬である事…

リスクが多く根本解決の治療ありませんでした。
出来ることは定期的な心膜穿刺(針などを刺して血を抜くこと)と輸血による延命治療です。

先生は定期的な 心膜穿刺 をしても、いつ出血するかわからない為、1日置きなのか3日置きなのか言えないこと、病院に通院する間になくなる可能性もあること、メリットデメリットを事例に交えて説明してくれました。

その日は、病院が午後から休診ということもあり、その後も出血がないか様子を見るために「時間があるならいてください。」と診察室を貸していただきました。
今思うと、出血し続けていたらこの場で最後だと先生はわかっていたのだと思います。
診察室では、泣きながらひたすら携帯で心タンポナーデを調べ、先生の説明を何度も何度も反芻しました。
突然のことでどうすればいいのかわかりませんでした。

5~6時間ほど病院にいました。
先生がもう一度、心臓に出血があるか調べたところ、幸いにも出血はありませんでした。

その時にその後のことを決めました。

沢山悩みましたが、延命治療せず最後の期間を大事に愛犬をでろでろに甘やかすことにしました。
賛否両論あるかと思いますが、後悔しないよう私自身で決断しました。

会社は犬への理解がある為、その日から事務所に泊まって片時も離れず仕事をしながら看病しました。
離れる時は、トイレとお風呂くらいで、そばに入れないときは友人が見てくれました。

この日から、プリンやシュークリームなんでも与えました。
食べてくれるだけで嬉しくて、なんでもしてあげたい気持ちです。

↑テオちゃんだけプリンなど食べるので羨ましいぱんくん

ドライフードは食べなくなりましたが、友人お手製のレバーペーストはもりもり食べて2日間ほど
普通の愛おしい日々を過ごせました。

2020年2月8日

最後の夜も一緒に寝ながら初めて愛犬をブリーダーさんの所へ迎えに行った日から今日までの想い出話をしました。

私の20代青春時代を一緒に過ごし、人生の岐路にはすべて愛犬がいました。
楽しかったこと、謝りたいこと、愛犬のここが好きってこと…。

ずっと話しかけました。
ずっと優しくなでてあげました。

後で思うとこの時間がすごく濃厚でかけがえのない時間でした。

もう何も食べません。
水をスプーンで口に入れてあげると飲むので、欲しそうにすればずっとあげました。

2020年2月9日

深夜2時~4時は何度も発作をくりかえしましたが、そのたびに抱きしめて声をかけました。
出血により心臓がポンプとしての役割を出来なくなってきたのか、
息が荒く一生懸命呼吸をして苦しそうでした。

2度ほど大きな発作で弓なりに痙攣し、もう駄目だと思っても
本人は頑張って生きようと呼吸をし続けます。

私はその姿が、本当に辛くて見ていられず
『もう頑張らないで!』『もう大丈夫だよ!逝ってもいいよ!!』って泣き叫びました。

【眠るように亡くなった】なんていう亡くなり方ではありませんでした。

最後のため息のような呼吸が出たときに、また息を吹き返してほしくないと思いました。

最後の最後までそばにいて文字通り、私の胸の中で息を引き取りました。
1週間の余命宣告をされましたが、3日で亡くなりました。

突然の別れでしたが、この3日間は本当に全てを愛犬につぎ込めました。

亡くなって1年半たちました。
後悔と悲しさはありますが、愛犬の為にできることをやったので、いまは前を向けています。
私以上に泣いてくれる家族、同僚がいて、心配してくる優しい方々が多くいて幸せです。

周りの方の体験談などを聞いていつかこの日が来るとは思っていました。
心の準備はできていませんでしたが、ネガティブな悲しみと落ち込みはありません。

ただただ、飼い主想いの愛犬へ感謝の気持ちと周りの方への感謝の気持ちでいっぱいです。

この経験をブログに書くことで誰かの参考になれば幸いです。